お得意様に向けた広報誌を刊行することになりました。そこで、かねてから興味を持っていたコンサルタントの方に、執筆してもらおうと考えました。その方は何冊か著作もあるということで、すんなりと許可をもらえたのですが、依頼の手紙を書こうとしたところで悩んでしまいました。依頼文自体は、いろいろ参照してすぐにできました。しかし、そのコンサルタントの方の敬称をどうつけるかがわからなかったのです。
一般に「様」をつけますが、代議士や弁護士、医者、教師などには「先生」と敬称をつけるのが普通です。それ以外にも、作家や著述家などにも「先生」にするものだと認識しているのですが、このケースはどちらにすべきなのでしょうか?
「尊称」に関する基準は、あるともいえますし、ないともいえます。
言葉のルールは慣習によって成り立っている面がありますから、法律や決まりで規制できるものでもないわけです。
例えば、人の名前に「様」をつけるのは本来的には「文語体」とされています。つまり手紙(文章)を書くときにつかう敬語です。
しかし、今ではホテル、結婚式場、病院までも「お客様」「新郎様」「新婦様」「患者様」と呼びかけています。その言葉づかいは「口語体」ですから、本来は間違いです。
さらに、結婚式などでは当人の親を「ご尊父様」などと呼ぶこともあます。「ご」「尊父」「様」と、二重敬語どころか三重敬語で、これもまた本来は間違いです。
けれども、これくらいの誤った使い方は今現在、普通のこと。むしろ、より丁寧である、と積極的に使っているくらいです。
つまり、言葉に基準はあるのですが、それは絶対ではありません。まずは、そこのところを押さえておくことが必要です。
そのうえで、本題に入りましょう。
「様」にするか「殿」や「先生」にするかは、おおむね次のように考えればよいと思います。
名前につける尊称は、「様」がもっとも一般的で汎用性が高いといえます。
多くの場合これで通用します。
「○○様」
役職をつけた場合は「殿」をつけます。
「殿」と聞くと相手方の権威を認めたかたちになります。
「○○部長殿」「○○代議士殿」
相手方が俗に「先生」と呼ばれる職についている場合に「先生」を付ければよいでしょう。具体的には教師、学者、医者、保育士、税理士、弁護士、議員、占い師、作家などといった職業の方たちです。
また、こちらが尊敬の念を込める場合にも「先生」がつかわれます。作家などは役職ではありませんから「○○作家先生」とはなりません。「○○先生」でよいでしょう。
繰り返しますが、ここで書いた「敬称」についての決まりも、絶対ではありません。
たとえば、無理に「先生」とつけることで、相手を愚弄してしまうこともあります。
相手に不快感を与えない、コミュニケーションをスムーズにするという目的を外さないように心掛けてください。
まとめ